炭酸美容とは
『炭酸』とは、炭酸ガス(二酸化炭素)が水溶液に溶け込んだ状態です。炭酸そのもの(気体)ではなく、水に溶け込ませないと効果はありません。種類はいろいろあり、炭酸ジェルパック、炭酸シートマスク、炭酸ミストといろんな形状があります
炭酸って肌にいいの?
炭酸ガスジェルは医療の現場で生まれました。なんとか床ずれ(褥瘡)を治療しようとしていた日本の日置医師が、血行をよくする働きのある炭酸ガス入り入浴剤を入れたお湯で患部を拭いたり、直接患部を炭酸ガス水に浸したりして、効果を発見したのです。水に溶けている炭酸ガスは血行を促進することで、皮膚の新陳代謝を促し、傷の修復作用を図ります。炭酸ガスが毛細血管に入り込み、すぐに血行がよくなることは確かめられています。ドイツなどの欧州諸国では天然炭酸泉が多く、長年、療養や美容に対して使われています、炭酸泉の働きを利用した様々な研究や治療も多く、2002年にドイツ人医師によって発表されてから話題になりました。
炭酸ガスで効果が出るメカニズム
日置医師によると「人間の体はつねに新陳代謝を繰り返し、古い細胞は排出され新しい細胞に生まれ変わっています。この代謝には酸素が不可欠で、その酸素を供給するのが血流です。血行が高まり血流が良くなれば、血液に乗って細胞に酸素が送り届けられ、代謝が活発になります。褥創は血行不良が原因ですから、炭酸ガスで血行促進をすれば、改善が期待されるのです。炭酸は細胞に酸素を取り込み、ミトコンドリアを元気にすることができる心強い存在なのです。ミトコンドリアに酸素を多く供給することで代謝の良い健康的な素肌が叶い、キメ、透明感、ハリなどのさまざまな効果が期待できます」
「酸素は通常、血液中のヘモグロビンによって運搬されています。細胞内に酸素を送り込むためにはヘモグロビンから酸素を引き離さなければなりません。この引き離し役が二酸化炭素です。二酸化炭素によりヘモグロビンから酸素が切り離される作用は『ボーア効果』と呼ばれます。二酸化炭素分圧が高くなると、血管は酸素不足だと認識し、血管が拡張し酸素を放出し血流も増加、結果として代謝が高まるのです。もっと大量の炭酸ガスを効率よく、しかも簡単に患部に届けることはできないか」という考えからジェルの開発に至ったとのことです。「あらゆる種類の造粘剤を片っ端から試し、長年の研究·開発の末たどり着いたのが、海藻の成分であるアルギン酸ナトリウムで作ったジェル状のパック剤でした。ジェルを使うことによって、中に閉じ込めることのできる炭酸の濃度を飛躍的に上げることに成功したのです。さらに、ジェルであれば、患部に塗りパックすることで、炭酸ガスが大気中に逃げることなく効率よく作用させることができるという利点もあります」:日置医師のインタビューはexiteニュースより引用
炭酸パックは毛穴汚れを取り除く?
炭酸ジェルは血行促進、新陳代謝の力を持っています。アンチエイジング効果は高く、引き締まり効果でたるみ毛穴には効果が期待できます。新陳代謝の活性化によるターンオーバーによって汚れを落とします。
炭酸パックはニキビに効く?
ニキビができる原因のひとつとして、毛穴を詰まらせる角質肥厚があります。毛穴から皮脂を分泌できず、詰まってしまう状態です。炭酸パックは角質肥厚を抑制するので、毛穴詰まりを解消してくれます。特に男性のニキビに有効とされています。ニキビの部位としては、額、フェイスラインなどのしつこい赤ニキビ、嚢胞(大きなニキビで、紫色に見えたりする)に有効です。
炭酸パックの実際の効果は?
主にアンチエイジング効果です。発見した日置医師は「顔の半分だけに炭酸ジェルパックを使用し、数ヶ月後に皮膚のツヤ、引き締まり感を実感しました」と言っています。そこから炭酸ガスのジェルは美容目的で使われるようになったのです。実際の効果は、肌の透明感、キメ、ハリです。また肌を持続的に弱酸性に保ってくれる働きがあり、乾燥肌、脂性肌などの肌トラブルを正常に整えてくれることが期待できます。化粧品大手の花王の発表でも「肌を弱酸性に保つことにより、角層中の接着因子デスモグレインの分解が促進され、角層のターンオーバーが正常化し、肌がなめらかになることが期待されます」とのです。
炭酸美容にはいろいろ種類があるけど・・・
炭酸ジェルパックは、非常に高い炭酸の濃度をジェルに封じ込めることが可能です。ジェルの中には高濃度の炭酸が封入されるため、炭酸ジェルパックは炭酸の血行促進効果を感じやすい即効性の高い炭酸化粧品といえます。
炭酸シートマスクは炭酸の濃度もさまざまなため、一概には言えませんが、ジェルパックと比較すると炭酸濃度や炭酸効果は控えめです。
低価格で炭酸美容にトライしたい方に人気なのは、炭酸洗顔やミストです。主流は炭酸ガスを噴射剤として使用するスプレー缶タイプの化粧品です。噴射剤として使用される炭酸ガスが泡やミストの中に含まれますが、形状を考えると炭酸ガスは大気に放出しやすく、高い炭酸濃度は保持されづらいといえます。(日置医師談)
炭酸入浴剤
元々は炭酸で傷を治そうとして見つかった効果なので、身体には温泉の炭酸泉もいいでしょう。炭酸入浴剤には、血行促進、皮膚の新陳代謝を助けてくれる働きがあります。
まとめ
全身には炭酸入浴剤、顔にはジェルタイプが効果的、と言えそうですね。週に2回ほど炭酸ジェルパック。これは良さそうです。やっぱり医療の現場で使われていると安心できますね。
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