ピーリング石鹸って効くの?

  1. コスメの成分

みなさま、こんにちは。RITSUKOです。

今日の話題は、、、、

ピーリング石鹸って効くの?

ドラッグストアや、雑貨屋さんのコスメコーナーでよく見かけます。かなり売れ行きがよいようです。美容皮膚科で行うレベルでなくとも、家でピーリングが出来るとうれしいですよね。でも・・・・

ピーリング石鹸って効くの

残念ながら、ピーリング石鹸にはピーリング効果はありません。

下で解説していきます。

ピーリングとは

角質を薄く物理的に削り取るのが、「ダイヤモンドピール」や「クリスタルピール」です。ヘッドが皮膚を吸引しながら皮膚を削っていきます。

もう一つは「ケミカルピーリング」です。グリコール酸やサリチル酸、乳酸を用いて、角質をゆるめたり溶かしたりします。仕上がりはつるっとなるので、美容皮膚科で人気のメニューです。ニキビ、肌のざらつき、シミに効果があります。

クリニックでのピーリングとは

クリニックでは、サリチル酸だと濃度30%のものを使います。現在は「サリチル酸マクロゴール」が一般的です。一昔前の「サリチル酸エタノール」は痛み、赤み、炎症が強く出過ぎるのが問題点でした。また、サリチル酸マクロゴールを院内で作っているところもありますが「ケイセイ」社のサリチル酸マクロゴールが一番効果が高いので、そこのところ、チェックが必要です。

クリニックでは、グリコール酸の濃度は10〜50%、時には70%のものを使います。グリコール酸の効き目は濃度だけでなく、どの程度酸性か(pH値の小さい方が酸性、数値の大きい方がアルカリ性。7が中性です)によっても変わってきます。クリニックで使うグリコール酸だとpH1〜2程度です。かなり酸性でないと効果がありません。濃度とpHがポイントなんです。

市販のピーリング石鹸とは

サリチル酸の化粧品配合濃度の上限は、0.2%が上限です。クリニックでの30%とかなり差がありますね。

近くのドラッグストアでグリコール酸入りの石鹸を買ってきました。pH試験紙を使って調べてみました。リボンの端の色で判定します。緑がかっているので、pHは7〜8、ということが分かります。

市販のピーリング石鹸とは

中性から少しアルカリ性寄りですね。グリコール酸は3.6%以下でないと「劇物扱い」で配合できません。こちらもクリニックでの濃度とかなりの差があります。

グリコール酸の劇物指定

市販のピーリング石鹸の「つるっ」と感は?

石鹸で顔を洗うと「ギシギシ」感があると思います。それは石鹸と水道水中のミネラルが反応した「石鹸カス」です。この「ギシギシ感」を取り除くために、主に、EDTA-2A、EDTA〜がつくもの、あるいはエチドロン酸が配合されています。すると「ギシギシ」せず「つるっ」と洗い上がるのです。決してピーリング成分のせいではないのです。

また、市販のピーリング石鹸に「グリコール酸濃度◎◎%」と書いていないことも、怪しい点です。グリコール酸のピーリングは濃度が大切なんですから・・・。

まとめ

市販のピーリング石鹸はの「つるっと」感は、決してピーリングされているからではありません。「泡を数分間顔に乗せて放置」なども無意味です。普通の石鹸以上の効果はありません。

誠実過ぎて濃度が濃くなりすぎたコスメはこちら

Dr.RITSUKO(朽木 律子)

美容皮膚科医、『美肌道』コスメ開発者。医師として初めて化粧品成分検定1級を取得。
美容皮膚科医として、東京の美容クリニックで院長を務める傍ら、長年コスメ開発に勤しむ。確かな知識に基づいた厳選成分、ドクターズコスメの限界を攻める超高濃度なコスメを、丁寧に時間をかけて開発している。

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