ヒルドイドと同じ?ヘパリン類似物質のあれこれ!

  1. コスメの成分

過去に一世を風靡した「ヒルドイド(ヘパリン類似物質0.3%含有)」。ヒルドイドは病院でしか処方できない皮膚治療用の「薬」だったのですが、有名モデルが愛用していると雑誌に載ったことから火が付き、「美容目的」で処方されることが激増しました。あまりの処方の多さに「医療費を圧迫する」と問題になり、ヒルドイドと同じ成分の皮膚治療薬は、病院処方以外でも薬局で自由に買えるようになりました。

ヒルドイドって何に効くの?

ヒルドイド(=ヘパリン類似物質0.3%含有)の効果としては、「血行促進」「皮膚保湿」「血腫(青タン)を早く消す」「ケロイドを抑制する」があります。皆さんが美容目的としてヒルドイドに求めておられるのは「血行促進」「皮膚保湿」がメインかと思います。

そこで、ヒルドイドとほぼ同じ、ヘパリン類似物質0.3%含有の「医薬品」や、ヘパリン類似物質0.3%以下含有の「医薬部外品(化粧品)」を解説したいと思います。

調べていて、頭痛がするほど多くの製品がありました。

山ほどある「ヘパリン類似物質含有製品」を羅列しても何もよい情報にならないと考え、使いやすいもの、特徴のあるもの、に絞ってご紹介します。これなら選びやすいもんね!

まず大切なこと。ヒルドイドと同じ、ヘパリン類似物質0.3%含有の「医薬品」は、あくまでも医薬品。毎日塗ることで副作用はほとんどないですが、「お薬」であることは認識しておきましょう。

使用方法別・特徴別に的を絞る!

さて、特徴別に見て行きましょう!

・カルテHD(ヘパリン類似物質0.3%以下)(医薬部外品=コスメと考えていい)ヒルドイドを出している本家マルホとKOSEがタッグを組んだ化粧品です。こちらはヒルドイドの使い心地が気に入っていた方に向いていると思います。ヘパリン類似物質と言っても各社ごとに細かな製法や添加物質の違いがあるので、本家「ヒルドイド」にこだわる方はこちらをおすすめ。オールインワンもあるので便利ですね。

・スプレータイプで広い面積に便利(逆さにしても出るので背中の乾燥の方にはおすすめ)ザーネメディカルスプレー(医薬品)100g1980円や、ヒルマイルドスプレー(医薬品)100g2508円。特に背中に使いやすいです。全身に・・・とは書かれていますが、腕に吹き付けると残ったミストが床に落ちるので、面積の大きなところに吹き付ける用、と考えた方がよさそう。どちらも逆さにしても使えるタイプ(←これ、けっこう大事)。もともと背中はニキビもできるくらい油分を分泌する部位なので、背中が乾燥、ならば医薬品レベルでOK。

・泡タイプでするする伸びる(全身、赤ちゃんなどに塗りやすい)ナチュラブルプラス ヘパフォーム(医薬品)180g4950円(ちょっと高価ですね)ただ、すっごく塗りやすいのは確かです。

・汗、水に強いタイプ(塗り直しが少なくて済みますが、オイルベースなので濃厚な使い心地です)ヒフメイド油性クリーム100g1280円(医薬品)

・シャバシャバの化粧水タイプ(乳液やクリームが多い中、珍しいシャバシャバタイプ)ヘパトリート化粧水385ml1980円(医薬部外品、ヘパリン類似物質含有だけど0.3%以下)こちらは化粧品の分類なので毎日使えます。大容量なので気軽にパシャパシャできますね。

・美白もできる(プラセンタ含有)Adrys(アドライズ)伸びやすいウォータリークリームタイプです。アクティブクリーム30g2000~4000円(定期購入などあって値段はいろいろ)モイスチュアナイトジェルで睡眠パックができるジェル55g(2000~4000円台)や、ビタミンEを加えたアイクリーム15g5000円台など、化粧品(医薬部外品)ならではの品揃えです。美白も一緒に叶えたい方向けです。(他に美白美容液を足すなら、別にアドライズでなくてもいい気もする。。。。)

 

・オールインワンタイプ(これ1品で済むので、面倒くさがり屋さんや夜早く寝たい時用に持っていてもいいかも)ヘパソフト100g 1227円ロート製薬の医薬部外品ですが、かなり工夫がされています。グリチルリチン酸ジカリウム、アラントインが含まれていて抗炎症作用・肌荒れ対策がきちんと考えられているところ。またワセリンも含まれているのですが、特殊製法で微細化されており、ベタつかないんです。このお値段だとやっぱり一家に一本あっても良いですね。

・ニキビケアもできるサラサラジェルタイプ(ヘパリン類似物質含有タイプの中では特にサラサラしています)TIASヒルドケア200g1961円。抗炎症作用のグリチルリチン酸ジカリウム入りで塗布後すぐサラサラになります。保湿を求める方には向いていないかも知れませんが、あまり濃厚なものが向いていないニキビ肌さん、男性のひげそり後にはお勧めです。

ヘパリン類似物質含有製品のまとめ

使用方法別でもこんなにある、ヘパリン類似物質含有製品・・・・。もちろん、これ以外でも山ほどあります。。。。私が上記に書いたのは、剤型が個性的だったり、使い道が便利だったりするもの。医薬品にしろ、医薬部外品にしろ、その人に合うかどうかは使ってみないと分かりません。ヘパリン類似物質含有製品はそんなに高価ではないので、コレは自分の顔には合わないな。。。と思ったらボディ用にしてください。

 

小声で言いますが、アトピー性皮膚炎での研究で、ヘパリン類似物質0.3%含有医薬品とセラミドを対決させたらセラミドの勝ちだった、という報告も・・・・・。

Dr.RITSUKO(朽木 律子)

美容皮膚科医、『美肌道』コスメ開発者。医師として初めて化粧品成分検定1級を取得。
美容皮膚科医として、東京の美容クリニックで院長を務める傍ら、長年コスメ開発に勤しむ。確かな知識に基づいた厳選成分、ドクターズコスメの限界を攻める超高濃度なコスメを、丁寧に時間をかけて開発している。

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