APPSかVCIPか

  1. コスメの成分

昨日、美肌道にお問い合わせがありました😀

APPS(=最新型ビタミンC)を塗っていたら
VCIP(脂溶性ビタミンC)は不要なのではないですか?
とのご質問です。

よい質問!!👏

APPS、確かにすばらしいビタミンCです。
肌の奥へと届きますし、肌の奥へ届くスピードも速い❗
しかーし!
APPSには長所が多いのですが、欠点もあります。
高濃度にすると泡だってしまう、という点と、
高濃度にすると肌に刺激感を与えてしまう、という点です。

また、分解が早いという点もあります。

(製造側としては、小ロットで生産せねばいけません。
ふつう化粧品は3年程度は変質しないよう作るのですが、
APPSの化粧品は3年放置することは不可能です。
常に新鮮なAPPS化粧品を少しずつ作らなければいけないので、
製造販売側としては大変です)

脂溶性ビタミンC
(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル=VCIP)
は、高濃度でも肌に刺激を与えることは
あまりありません。

(ビタミンC自体で刺激を感じる人を除く)
VCIP100%というオイルをそのまま肌につけても大丈夫なのです。
なので、ビタミンCを高濃度で肌に導入したいというときは、
VCIPに軍配が上がります。

また、VCIPには、
水溶性ビタミンC(よくあるビタミンCローション)や、
両性ビタミンC(APPS)とは異なり、
長時間肌にとどまる(48時間程度)という特徴もありますから、
ゆっくりじっくり効かせるにはVCIPも捨てがたい素材なのです🏥

あまり多くの化粧品を使いたくない方は、APPSのほうがいいでしょう。
しかし、日焼けするとすぐに赤くなる人や、少しの日焼けでそばかすが悪化する方、
にきびができている人などは、
常にビタミンCを肌にとどめておけるVCIPの効力も捨てがたい訳なのです。

また、VCIPは非常に安定した成分で分解されにくいですから、
長期の保存も可能です。
その点も長所です。

最新型の材料だけではなく、従来の材料にもまだまだ魅力があるんですよ。

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Dr.RITSUKO(朽木 律子)

美容皮膚科医、『美肌道』コスメ開発者。医師として初めて化粧品成分検定1級を取得。
美容皮膚科医として、東京の美容クリニックで院長を務める傍ら、長年コスメ開発に勤しむ。確かな知識に基づいた厳選成分、ドクターズコスメの限界を攻める超高濃度なコスメを、丁寧に時間をかけて開発している。

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コメント

  • コメント (3)

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    • skin
    • 2008年 12月 16日 1:11am

    こんばんは。いつもとても勉強になります。
    スキンケアで質問です。最近話題のソンバーユは先生はどう思われますか??

    • RITSUKO
    • 2008年 12月 17日 3:46pm

    skinさん、こんにちは。

    私は馬油にはそんなに詳しくありません。
    ごめんなさい。
    (今から研究します。おもしろい研究課題をもらえてうれしいです)

    私の今の知識としては、馬油は人の皮脂にとても似た構成をしているので、人の皮膚を保護するにはよいオイル成分かな、と思います。
    また、セラミドも馬のセラミドは浸透性がよいという研究結果も出ていますから、馬油をスキンケアに使用するのはいいことだろう、と推測できます。

    ただ、人の皮脂に近いということは、「守りのスキンケア」だと思います。
    足らないものを補うケア、という感じでしょうか。
    「攻め」ではないかな・・・という感じを持っています。

    こんなお答えしかできなくてすみません。

    また、おもしろい話題があればお寄せくださいね。

    • ai
    • 2015年 7月 13日 10:00am

    勉強になります。
    APPSはずっと使ってきましたが、これからは油溶性ビタミンC誘導体も取り入ていこうと思います。

    ところでAPPSの持続時間は具体的にどれぐらいなのでしょうか?
    また、夜に油溶性ビタミンC誘導体を塗っても浸透するのに時間がかかるため、朝の洗顔をしたらあまり効果はないのかなと思ったり…

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