セラミドとは?
セラミドは「肌の守り神」。今回はセラミドの詳細に迫ります。
肌の「角層」とは10〜20層に「角質層細胞」が重なりあっている部分のことを指します。そのひとつひとつである角質と角質の間を埋め、つないでくれているのが「細胞間脂質」です。ひとつの角質を「レンガ」、細胞間脂質を「コンクリート」だとイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。この「コンクリート」=「細胞間脂質」の約60%を占めるのが「セラミド」です。健康な肌では、セラミドが角質をくっつけあい、10〜20段の角層が積み上げられています。セラミドは肌のターンオーバーの中で、表皮の顆粒層が角質層に押し上げられる時に作られます。ターンオーバーは20代では28日、50代になると50日ほどに延びてしまいます。つまり、ターンオーバーが遅くなるということは、「肌の守り神」であるセラミドの生成不足につながるのです。
セラミドの存在する場所
肌は、表皮、真皮、皮下組織、の3層から成り立っています。
その中でも表皮は、角質層→顆粒層→有棘層→基底層の4層で成り立っています。一番外側に「立体」ではなく、「薄い」角質が角層となって存在しています。この角質は10〜20層に重なっており、その重なり(レンガ)をセラミド(コンクリート)がくっつけてくれています。セラミドが存在するのは、角層なので、表皮の一番外側ということになります。(下の図では簡単に描かれていますが、角質はもっと薄く、もっと多く重なり合っています)10層〜20層と聞くと「厚み」を感じられる方も多いと思いますが、厚さはたった0.02mm、サランラップ程度しかありません。
セラミドの役割と効果
セラミドは角質細胞同士をつなぎ、肌にバリアを作る役割をもっています。セラミド不足でラメラ構造が崩れ角質がめくれ上がると、水分が逃げるだけでなく、外界からの異物(細菌やアレルゲンなど)が容易に侵入してしまいます。セラミドは水分油分両方を含み、なめらかな表皮を形作り、外界からの刺激を防いでくれているのです。セラミドが水分油分を保つ構造は「ラメラ構造」と呼ばれています。ラメラ構造とは、油、水分、油、と、水分を油で閉じ込めている層状の構造のことを言います。ミルフィーユのように、油分の層が水分を挟んで重なっています。
セラミドは上の図のように、角質と角質をつなぎ止めながら、水分を閉じ込めています。このセラミドが不足すると、ラメラ構造が崩れ、閉じ込められているはずの水分が失われてしまいます。肌に水分を補うだけでは、「本当のうるおい」は得られないのです。セラミドを与えて、ぴったりと角質をつなぎとめつつ、水分を閉じ込めておくことが重要です。角質が整っている肌は、アレルゲンなどの異物侵入を防ぎ、肌の健康を保つだけでなく、キメの整った化粧ノリの良い美しい肌に整えてくれます。肌荒れや乾燥に悩んでいる方、少しの刺激でも赤みが出てしまう方はセラミド不足も一因かもしれません。また、たった0.02mmの角質層を拭き取り化粧水でこすり取ったり、ゴマージュなどで落としてしまうのは避けましょう。
セラミドの種類
天然セラミド
哺乳類由来のセラミドで、ヒトが持つセラミドに似た構造をもち、浸透がよいのが特徴です。成分名: ビオセラミド、セレブレシドなど。
植物性セラミド
米ヌカ油、ユズ、ヒマワリ、などから抽出している、植物由来のセラミドです。ヒトのセラミドと構造は少し異なります。天然セラミドやヒト型(バイオ)セラミドと比べると、少々浸透性が下がります。成分名:米ヌカスフィンゴ糖脂質、ユズエキス、ヒマワリ種子エキス、など。
ヒト型(バイオ)セラミド
酵母などを利用して生成したセラミドです。ヒトが持つ12種類のセラミドのいずれかに似た構造を持っています。ヒト型セラミドや天然型セラミドと呼ばれることもあります。ヒト型セラミドにも種類があります。化粧品に多く使われるのは、保湿力が高いセラミド2(セラミドNG)です。その他、バリア機能を高めるセラミド3(セラミドAP)などがあります。セラミドの後に数字、あるいはアルファベット大文字2つが記載されているのが、ヒト型(バイオ)セラミド含有の証です。
疑似セラミド
セラミドに類似させた、化学的に合成したセラミドです。合成セラミドとも呼ばれます。値段が安いのが特徴ですが、天然セラミド、ヒト型(バイオ)セラミドに比べると、少々浸透性が下がります。成分名:ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミドなど。
セラミド入り化粧品の選び方 (成分表から分かるセラミド)
乾燥や年齢によってセラミドは減っていきます。肌をガードするセラミドには上記の通り、さまざまな種類があります。アラフォー、アラフィフになると、セラミド量は20代の半分程度にまで減っています。ぜひ、天然セラミドやヒト型(バイオ)セラミドを選んでください。(・・・欠点は高価なことです)セラミドの種類をインプットしたら、次は全成分表(化粧品の箱か、容器に書かれています)を見てみましょう。含有量が多いほど全成分表の前半に上記のような成分名(上記の赤文字の名前)記載されています。だいたいのセラミド含有量が分かると思います。
新しいセラミド様原料
セラミドの特徴が明らかになるにつれ、その働きを持つ新たな材料が生まれています。ラメラ構造を持つさまざまな原料、セラミドをナノ素材にしたものなど。ヒトセラミドの働きを補ったり、ヒトセラミドとほぼ類似する原料ができつつあります。
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