ワセリンに保湿力はありません

  1. コスメの成分

こんにちは。RITSUKOです。

先日のブログで「衝撃的なキャッチコピーにはご注意を!」
と自分で書いておきながら、どうですか、この衝撃的なワセリンへのダメだしタイトル。

ワセリンは皮膚科の薬の基剤(ベース)としても使われていますので、まったく悪者ではないですよ。
肌にほとんど刺激はないですから、安全・安心なのは確実です。

しかし、ワセリンを「保湿剤」として使っている方!
それはストップしましょう。

日本香粧品学会誌の6月号に掲載されていた論文に、
こういうグラフがありました。
(見えにくいので画像をクリックしてください)

ワセリンは皮膚に油脂膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。

10%尿素剤とヘパリン類似物質含有製剤は、皮膚の持っているNMFを補うことで水分を保持します。

ということは、水分の蒸発を防ぐより、内側に水分を保持させることの方が重要だということです。

(でも、私は尿素製剤を使うことには反対です。皮膚を剥がしてしまうし、荒れている肌には沁みて痛いのです)

なぜ未だに尿素製剤が売られているんだろう・・・
かかとに塗ってもツルツルになるというより、皮膚が白くふやけてめくれ、汚く見えるのになぁ・・・)

ヘパリン類似物質製剤は、皮膚科でよく処方されているピンク色のチューブに入ったヒルドイドです。

しかし、これを顔に塗ったり、下地にしたり、いろんなものを混ぜたり(試しすぎ・・・)したけど、
セラミド入りのクリームの勝ちでした。グラフに載っている3種全部を否定してしまった・・・

どこかにヒルドイドVSセラミドクリームを対決させた論文があったのですが、どこに置いたか・・・・

ワセリンは、火傷や炎症がひどいときの「保護剤」としては優秀ですが、「保湿剤」ではありません。

私はアミノ酸がたっぷり入った化粧水とセラミドのたっぷり入ったクリームで、
保湿に関してはパーフェクトだと考えています。

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Dr.RITSUKO(朽木 律子)

美容皮膚科医、『美肌道』コスメ開発者。医師として初めて化粧品成分検定1級を取得。
美容皮膚科医として、東京の美容クリニックで院長を務める傍ら、長年コスメ開発に勤しむ。確かな知識に基づいた厳選成分、ドクターズコスメの限界を攻める超高濃度なコスメを、丁寧に時間をかけて開発している。

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コメント

  • コメント (2)

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    • まさみ
    • 2014年 8月 06日 7:17am

    シーベリー油でアトピーが治るという報告が日本生物工学会より発表されました。シーベリーオイルは高価なオイルで北欧ではコスメ製品に使われています。北海道でシーベリーのコスメありますよ。

    • RITSUKO
    • 2014年 8月 10日 9:12pm

    まさみさん

    さっそく調べてみますね!
    おもしろい情報ありがとうございます。

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